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並列分散処理と高性能計算

 コンピュータシミュレーションなど膨大な計算量を要する問題を妥当な時間で処理する方法として, 多数の計算機を協調動作させて並列に処理を行う方法が一般に行われています. また,高性能なゲーム機や安価なパーソナルコンピュータが家庭や職場に普及しており, こうしたコンピュータをネットワークで結び,仮想的な高性能並列計算機として構築する グリッドコンピューティングの研究も盛んになりつつあります. 本研究室では,複数のクラスタ計算機を用いた仮想並列グリッド環境を構築して研究を行うとともに, ヘテロジニアスなグリッド環境でジョブを効率的に実行するスケジューリングアルゴリズムについて研究を行っています.

フォールトトレランス

 神経回路網は簡単な処理を行うニューロンを多数結合した形態のため,WSI (Wafer Scale Integration)などのハードウェアへの実装に適しており,さらなる高速化が期待できます. しかし,これらのハードウェアでは製造上の欠陥を避けることができず,また,一部の故障がシステム全体に 影響を及ぼすため,耐故障性を備えることが不可欠です.そこで,神経回路網の冗長性を利用し,学習を 通じて自律的に故障を補償するアルゴリズムについて研究・検証を行うと当時に,これを実現する ハードウェア構成やアーキテクチャについて研究を行っています.

神経回路網,進化型計算応用

問題をとく手順を与える必要がなく,ただ凡例を数多く準備すればよい神経回路網や, 生物の進化に範をとった求解アルゴリズムである進化型計算は,組み合わせ爆発を起こす 問題に対する現実的な解法のひとつとして期待されています. これらの手法を用いて,遺伝子の情報学的解析や食品が持つ機能性の予測などについて 研究を行っています.近年では,神経回路網を用いた食品のハイスループット機能性予測 (がん細胞増殖抑制活性など)手法を宮崎大学農学部,宮崎県産業支援財団の共同で開発し,登録特許となっています.

自己組織化システムと進化型ハードウェア

現在用いられている神経回路網では,あらかじめ与えられたニューロン網で情報処理を行っています.これに対し, 人間の脳では遺伝的に決定されるおおまかな構造と,学習によって獲得される細かな構造が 混在していることが知られています.すなわち,学習によって構造自体が自律的に獲得されています. 自己組織化を行うニューラルネットワークとして,コホネンのSOM(Self Organizing Map)が知られていますが, 重み空間での自己組織化を行っているのみであり,ニューロン間の接続形態は固定されています.そこで, 学習過程を通じてニューロン間の結合網自体を自律的に獲得する自己組織化システムについて研究を行っています. さらに,入力に応じて適切な結合網を自律 的に獲得する進化型ハードウェアについても研究を行っています.